
剧本角色

王 子
男,0岁
遠い星からやってきた小さな男の子。可愛らしくしゃべる。

N
男,0岁
ナレーション。(飛行士と同じ人が担当でも良いと思います)

飛行士
男,0岁
飛行機の操縦士。20歳前後。
星の王子さま
LE PETIT PRINCE
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
Antoine de Saint-Exupery
N:僕は今までこの話を誰にもしたことがない。それでも今回話すのは、もし彼が再び現れた時、真っ先に僕に知らせてほしいからだ。
N:あれは6年前のこと……。飛行機の操縦士だった僕は、エンジンのトラブルでサハラ砂漠に不時着する羽目になった。
N:その時は乗客も整備士もいなかったし、人里からは千マイルも離れていた。飲み水は1週間分しかない。僕は1人でエンジンを修理しなければならなかった。
N:夜になり、僕は砂の上で眠りに付いた。大海をいかだで漂流する遭難者よりも、自分ははるかに孤独なんじゃないかと思った。
王 子:「ごめんください……。ヒツジの絵をかいて!」
飛行士:「えっ?」
N:僕は、まるで雷に打たれたみたいに、びっくりして飛び起きた。するとそこには、真剣な目で僕を見ている、まるで王子様のような姿の少年がいたんだ。
王 子:「ぼくにヒツジの絵をかいて……」
飛行士:「え……?……というか、いったい、君はここで何をしているの?」
王 子:「お願い! ヒツジの絵を描いて」
飛行士:「僕が勉強してきたのは、地理と歴史と算数と文法だけだよ……絵は描けない」
王 子:「そんなの平気。ヒツジの絵を描いて」
飛行士:「僕に描ける絵なんて1つしかないよ」
N:人間ってやつは、驚きすぎると素直に受け入れてしまうものらしい。僕は言われるがままに、紙とペンを取り出して殴り書きをした。
王 子:「ちがうちがう!ヘビにのまれたゾウなんていらないよ」
飛行士:「え……?」