
剧本角色

朝美
女,0岁
朝美

颯太
男,0岁
颯太

0
男,0岁
这个角色非常的神秘,他的简介遗失在星辰大海~

飒太
男,0岁
飒太
朝美:颯太【そうた 】~、おーはーよ。
颯太:……。
朝美:ね~起きて。
颯太:【N】随分と懐かしい声を聞いた気がした。【ずいぶん と なつ かしい こえ を き い た き が し た 。】
0: 間。
朝美:んもー何時だと思ってるのー! 起きて。
颯太:んー……。
朝美:起きてってば!
颯太:んーもう少し……。
朝美:何言ってんの、もう8時だってば!
颯太:え⁈
朝美:「え⁈」じゃなくて!
颯太:レンタカー何時だっけ?
朝美:9時!
颯太:ああああ……。
朝美:「ああああ……」じゃなくて!
朝美:もー、早くシャワー浴びてきて! 早く、ほら。
颯太:あぁぁぁぁ……。
颯太:【N】そうだ。あの日、確か俺は寝坊をして。
0: 間。
0: 朝美、颯太、車内。
朝美:んもー、行きたいところいーっぱいあるって言ったのに~。
颯太:ごめんって。
朝美:しらすの釜めし……。【しらす の かま めし … … 。】
颯太:……。
朝美:小町通りのお団子。
朝美:クレープに、厚揚げに。鎌倉野菜のカレー。【くれーぷ に 、 あつあ げ に 。 かまくら やさい の かれー 。】
颯太:全部食い物じゃん。
朝美:悪い?
颯太:いや、悪くねーです。はい。
颯太:【N】朝美に小言を言われながら、春の東名高速を走った。【あさみ に こごと を い わ れ ながら 、 はる の とうめい こうそく を はし っ た】
颯太:【N】レンタカー独特の、キツイ芳香剤の香りを今でも覚えている。【れんたかー どくとく の 、 きつい ほうこう ざい の かお り を いま でも おぼ え て いる 。】
朝美:(鼻歌)。
颯太:なに? ご機嫌?【ご きげん ?】
朝美:颯太が寝坊したから不機嫌~。
颯太:えー。
朝美:うそ。遠出久しぶりだから、楽しい。【うそ 。 とおで ひさ しぶり だ から 、 たの しい 。】
颯太:【N】楽しそうに景色を追う、彼女の横顔【よこがお】も、まだ、覚えている。
0: 間。
0: 朝美、颯太鎌倉にて。
颯太:大丈夫? 疲れてない?
朝美:平気~。
颯太:そっか。
朝美:うん。颯太こそ、運転で疲れたんじゃない?
颯太:まぁほどほどに。
朝美:えー、大丈夫?
颯太:どっかの誰かさんが車で連れてけーって言うから。
朝美:えー、どっかの誰かさんって誰だろ。
颯太:朝っぱらから起きろ起きろってうるさい誰かさん。
朝美:それは颯太が寝坊するからでしょ~。
颯太:あはは、ごめん。
朝美:(笑う)。
颯太:行きたいな~鎌倉。行きたいな~。車で行きたいな~。
朝美:えー何それ、私のマネ?
颯太:そう。似てた?
朝美:似てないよー。
颯太:あれー、おかしいな。
颯太:(咳払【せきばら】い)、行きたいなー鎌倉、行きたいなぁー。
朝美:もー違うって。行きたいな~鎌倉。行きたいなぁー。
颯太:行きたいなぁ~。鎌倉、行きたいなぁー。(弄るように)
朝美:バカにしてるでしょ?
颯太:(笑う)。天気よくてよかったなー。
朝美:あーもー話逸らすー。【あー も ー ばなし はや ら すー】
颯太:(笑う)。
颯太:【N】人というのは声から忘れていくらしい。
颯太:【N】いずれ忘れてしまうのだろうか。この声も。
朝美:ほんとに天気よくてよかった。やっぱ日ごろの行いかな~。
颯太:俺頑張ってるもんなー。
朝美:えー私の行いがいいからでしょ~?
颯太:はぁ?
朝美:「はぁ?」って……。
朝美:今朝だって私早起きしたし、ご飯も作ったし。
颯太:あー……。
朝美:寝坊してレンタカーの時間ギリギリだったの誰のせいだろ~。
颯太:ごめんって。
朝美:まぁでも、颯太が寝坊するのも予想してたけどね。
颯太:まじで?
朝美:まじで。
朝美:あらゆる事態を想定して予定を組みました。
颯太:おぉ、デキる女っぽい。
朝美:ふふん。
颯太:さすが! 合理主義の鏡。
朝美:……それ合理主義関係なくない?
颯太:そう?
朝美:そうでしょ。
颯太:そっか。
朝美:んもー、しっかりしてよー。仮にも脚本家なんだから。【ん も ー 、 しっかり し て よー 。 かり に も きゃくほんか な ん だ から 。】
颯太:仮にもって……。
朝美:あ、間違えた。売れない脚本家だった。
颯太:うるせー(笑う)。
朝美:(笑う)
朝美:あ、ねぇねぇ、鎌倉舞台に1本書いたら?
颯太:えー。
朝美:季節は春で~……どんなのがいいかなぁ~。
颯太:いや、鎌倉つったら梅雨だろ。
朝美:えー、いいじゃん春。桜舞う鎌倉。
颯太:えー。
朝美:だってさー、こんなに綺麗だよ。
朝美:それに、売れるには人と違うことしないと。
颯太:知った風によく言う。
朝美:(笑う)。あーでも、それで売れたら、
朝美:春の鎌倉・親善大使【しんぜん たいし】とか、オファーきちゃうかもよ?
颯太:なんだよそれ。
朝美:一躍有名作家!【いちやく ゆうめい さっか !】
颯太:(笑う)。タイトルは?
朝美:えータイトル?
颯太:うん。
朝美:んー『四月の桜』!
颯太:ぶっ(吹き出す)。ダサ。
朝美:えー。
颯太:それ『十月の朝顔』のパクリじゃん。
朝美:自作だしパクリじゃないでしょ?
朝美:シリーズものみたいにしなよ。
颯太:やーだよ。
朝美:えー。
颯太:前言っただろ。タイトルださいって叩かれたって。【ぜん い っ た だろ 。 たいとる ださい って たた か れ た って 。】
朝美:そうだっけ?
颯太:そうだよ。
颯太:しかも『四月の桜』なんて、『十月の朝顔』よりダサい。
朝美:そんなことないでしょ~?
颯太:そんなことありますー。大ありです~。
朝美:……ぷっ、変な顔。
颯太:はぁ?
朝美:……(笑う)。
颯太:(笑う)。
朝美:うわぁ、すごい。ねー、桜のアーチ!
朝美:突発【とっぱつ】できたけど、すごい良いタイミングだったね~。
朝美:平日で人も少ないし。よかったー。
颯太:【N】雲一つない真っ青な空に、桜が舞った。【くも ひと つ ない ま っ さお な そら に 、 さくら が ま っ た】
颯太:【N】ツンと鼻の奥が痛むのは、来年の春、【つんと はな の おく が いた む の は 、 らいねん の はる】
颯太:【N】彼女が隣にいないことを、分かっているからだろうか。
0: 間。
朝美:うわぁ、すご……。
朝美:なんかねー、ネットで見たんだけど、
朝美:この桜のアーチ、天国みたいって書いてる人いた。
颯太:へー。
朝美:天国ってこんななのかな?
颯太:さぁ。
朝美:さぁって……。
颯太:見たことねーし。
朝美:……脚本家なんだからもっと夢膨らませてよ。【… … きゃくほんか な ん だ から もっと ゆめ ふく らま せ て よ 。】
颯太:残念ながら売れない脚本家なんで。
朝美:んーもう。
颯太:……。
朝美:あ、そいえばさ、編集の早紀ちゃん。【あ 、 そい え ば さ 、 へんしゅう の さき ちゃん 。】
颯太:紺野さん?
朝美:うんうん。
颯太:何、仲良くなったの?
朝美:うん。颯太最近コラム書いてるじゃん?
颯太:あぁうん。
朝美:それでちょくちょく家来るじゃない? お茶出してるうちに仲良くなった。【それで ちょくちょく いえ く る じゃ ない ? お ちゃ だ し てる うち に なかよ く なっ た】
颯太:無理に話合わせてもらってんじゃなくて?
朝美:もーなんでそういう言い方するかなぁ~。
颯太:(笑う)。ごめん。
朝美:ってか私に気使って家来てもらってるでしょ?
颯太:病気の嫁放り出してどっか行くほど薄情じゃないんで。【びょうき の よめ ひ り だ し て どっか い く ほど はくじょう じゃ ない んで 。】
朝美:んもー何その言い方。
颯太:……。
朝美:平気だよ。ずっと家いなくても。
朝美:お義母さんも気にかけてくれてるし、まだちゃんと身体動くし、物忘れも、たまにだし。
颯太:練馬の駅で泣きそうになりながら、帰り道わかんない~って電話かけてきたの誰ですか。【ねりうま の えき で な き そう に なり ながら 、 かえ り みち わかん な い~ って でんわ かけ て き た の だれ です か 。】
朝美:あ……はは。……忘れた。
颯太:都合よく忘れんなバカ。覚えてんだろーが。
朝美:(小さく笑う)。
颯太:【N】朝美の病気は、徐々に記憶を失っていくものだった。
颯太:【N】手足の自由が利かなくなり、そして、すべてを忘れてしまう。
颯太:……んで、紺野さんがどうしたの?【… … んで 、 こんの さん が どう し た の ?】
朝美:あ、早紀ちゃんの彼氏がね~、写真やってるんだってー。
颯太:へー。
朝美:岩倉祐樹(いわくらゆうき)。知ってる?
颯太:いや、知らない。
朝美:だよねー。私も知らなかった。あ、でもね一部では有名みたい。
颯太:ふーん。
朝美:ほら、見て。SNSも結構フォロワーいる。
颯太:え、俺よりいるじゃん。
朝美:ふふ。颯太はもっと外に向けて活動しないとねー。
颯太:はいはい、アドバイスどーも。
朝美:んもう! いつも私の話適当に聞いてるでしょ?
颯太:はぁ? 1番真面目に聞いてますけど。
朝美:ぶー。
颯太:……変な顔。(笑う)
朝美:(笑う)。
颯太:んで? その人がどうしたの。
朝美:あ、んでね、その人目白で個展してて、
朝美:早紀ちゃん友達の付き添いで行く予定だったらしいんだけど、友達ドタキャンで。
颯太:うん。
朝美:渋々一人で行ったら、そこで出会って意気投合だって。【しぶしぶ ひとり で い っ たら 、 そこ で であ っ て いきとうごう だって 。】
颯太:へー安いドラマ1本書けそう。【へー やす い どらま 1 ほん か け そう 。】
朝美:でしょ? すごいよね~。
颯太:せんべろで口説いた俺と大違い。【せんべろ で くど い た おれ と おおちが い 。】
朝美:自分で言わないで。
颯太:(笑う)。