
剧本角色

健吾
男,0岁
健吾

吉澤
男,0岁
吉澤

茜
女,0岁
茜

好美
女,0岁
好美
■キャスト
健吾(けんご)
吉澤(よしざわ)
香田 茜(こうだ あかね)
根津 好美(ねず このみ)
■台本
健吾が資料のページをめくる。
健吾:「……」
そこに吉澤がコーヒーを飲みながらやって来る。
吉澤:「おう、朝からやる気出してるな、健吾。今日の取り調べの被疑者の資料か?」
健吾:「吉さん、これ何かおかしいっすよ」
吉澤:「何がだ?」
健吾:「これ、状況的に見て、正当防衛っす」
吉澤:「何言ってる? 被疑者の香田茜は自供してるんだろ?」
健吾:「だからおかしいんっすよ。被害者の根津好美の殺人予告書、凶器のナイフ、犯行現場の状況。これだけ揃っていれば、正当防衛にできます」
吉澤:「なのに香田茜は殺人だと自供している……」
健吾:「はい」
吉澤:「目撃者は?」
健吾:「いません。密室です」
吉澤:「……」
健吾:「あと、一番変なのが、正当防衛である証拠を全部、被害者の根津好美の方が用意してるんす。凶器も根津が用意したものですし、犯行現場にも根津の方が呼び出してます。なによりおかしいのが、この殺人予告書です」
吉澤:「明確な殺意を持って、茜を殺すために呼び出した。……か」
健吾:「誰に出すわけでも見せるわけでもなく、ただ、カバンに入ってたんすよね」
吉澤:「……取り調べ、始めるぞ」
健吾:「はいっす」
吉澤:「あー、言っておくが健吾。香田茜がどんなことを話しても、感情移入するなよ。俺たちの仕事は真実を追うことだ。それだけに専念しろ」
健吾:「……了解っす」
場面転換。
健吾:「それでは、香田茜さん。取り調べを行います。……が、最初に確認させてください。……本当に殺人なんですか?」
吉澤:「健吾ぉ……」
健吾:「吉さんは黙っててくださいっす。で、どうなんですか?」
茜:「……はい。好美は、私が殺意を持って殺しました」
健吾:「状況的には正当防衛が認められます。つまり、あなたの証言次第です。もう一度聞きます。本当に殺人なんですか?」
吉澤:「健吾」
健吾:「どうなんですか?」
茜:「好美は、私の方が殺意を持って殺しました。間違いありません」
健吾:「……わかりました。ですが、全てを教えてくれませんか? なぜあなたが根津好美を殺害するに至ったか」
茜:「……茜。あの子は……猫のような子でした」
茜の回想。
茜と好美が小学生の頃。